巻頭言 | ネットワーク医療と人権 (MARS)

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巻頭言

-NPO認証10周年記念講演会 開催報告号 発行にあたり-

去る2月5日、MERSのNPO認証10周年記念講演会を開催しました。そして、今回の記念講演会の企画から開催に至るまでの顛末を通じて、つくづく「縁」とは不思議なものだと感じています。というのも、基調講演をお願いした岩﨑惠美子氏との出会いが、天から降ってきたような全くの偶然だったからなのです。

私たちMERSは、2000年9月に任意団体として設立しましたので、本当は2010年に設立10周年を迎えていたのですが、ついつい忙しさに感けて記念イベントを企画することができませんでした。そのうち、いつのまにか2011年を迎えてしまい、開き直ってNPO認証から10周年の企画を立てることにしたのです。

とはいうものの、なかなかこれといった企画が思いつかず、具体化が進まない日々が過ぎていきました。そんな折、昨年9月に帰省した仙台で、私の悪友と岩﨑さんの食事会(呑み会)に私が急遽飛び入り参加することになり、結果、夜中遅くまで話が盛り上がってしまいました。なので、たまたま偶然に岩﨑さんとの「縁」ができて講師依頼を快諾していただいた訳ですが、本当のところは、岩﨑さんがご自身のことを茶化しながら「イロモノ」と表現され、私自身「これだっ!」と閃いたのが発端です。

またパネリストとして、ご参加いただいた伊藤雅治氏は、HIV業界と長い間関わりのあった厚労官僚として有名な方でした。岩﨑さんの活躍を描いた書籍を読み進めていたところ、「医学部時代の同級生:伊藤雅治氏」が出てくるではありませんか。しかも彼は岩﨑さんを感染症業界に巻き込んだ、いわば張本人でもあったのです。

この事実を知った時点で、伊藤さんにも記念講演会に来ていただくしかないと感じました。同級生の立場からどこまでウラ話が聞けるか分りませんでしたが、私たちの記念講演会にご理解いただき、伊藤さんに参加してもらうことができました。こういった一連の顛末を通じて、人の「縁」というものを感慨深く感じている訳なのです。

このたびNPO認証10周年記念講演会・対談の内容を、開催報告号としてまとめましたのでご覧ください。岩﨑惠美子氏と伊藤雅治氏には、日々お忙しいところ記念講演会にご参加・ご講演いただいたことに改めて感謝申し上げます。

 

2012年4月
特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権
理事長 若生 治友

書籍紹介webKADOKAWA より抜粋)

『検疫官 ウイルスを水際で食い止める女医の物語』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎年発生する新感染症、新ウイルスの脅威!驚愕の最前線の実態!!

[著者]小林照幸
[内容]日本人で初めてエボラ出血熱を間近に治療した医師、岩﨑惠美子。新型インフルエンザ対策でも名をあげた感染症対策の第一人者だ。50歳を過ぎてから熱帯医学を志した岩﨑の闘いを追った!本格医学ノンフィクション!!

発売日:2009年11月25日
定価(税込):700円
文庫判 ISBN 978-4-04-394323-4-C0195
発行元:角川書店

■ さらに詳しく

見えない敵の動きを察知し、決して起こってはならないことを隅々まで想定する。バイオの最前線を守る孤独な戦士。それが検疫官だ。 福岡伸一氏推薦!!
新型インフルエンザ対策の第一人者、岩﨑惠美子。その最前線の攻防を描いた本格医学ノンフィクション!!
日本人で初めてエボラ出血熱を間近で治療した惠美子。50歳を過ぎて熱帯医学を志し、安穏な医師生活を捨て去ってウガンダやインド、タイ、パラグアイなどで現場治療にあたる。
日本検疫史上初の女性検疫所長とまでなった彼女の、生物・化学テロ、感染症、ウィルスの脅威から日本を守ってきた活躍を大宅賞作家が描く。