「薬害教育」に向けた多声的「薬害」概念の提起
はじめに (山田 富秋)
第1章 薬害エイズ ~現在の医療安全的視点から (日笠 聡)
第2章 ある製薬会社(A社)の1980年代前半における加熱製剤とHIV/AIDSについての認識 (種田 博之)
第3章 ポスト「薬害エイズ」期における血漿ならびに凝固因子製剤に対するリアリティ (種田 博之)
第4章 血友病補充療法の進展にみる医師役割の変質 -「医療化」の観点からの検討- (本郷 正武)
第5章 「薬害エイズ」と同性愛:男性同性愛者が起こしたエイズ関連訴訟との関係から (新ヶ江 章友)
第6章 薬害の社会学的記述に関する考察 -薬害ディスコースの分析- (佐藤 哲彦)
第7章 薬害概念の「効果」についての覚書 (田代 志門)
第8章 薬害を防ぐ教育の方略:医師に「医薬品の適正使用」を教育するオーストラリアの薬剤師 (松岡 一郎)
第9章 ハンセン病医療におけるサリドマイド -使用経験の語りから- (蘭 由岐子)
第10章 映像資料における「当事者性」の問題 (山田 富秋)
第11章 薬害被害者団体の薬害教育への取り組み (花井 十伍)
第12章 病院実務実習における「薬害教育」実践例の紹介 (若生 治友)
第13章 「薬害」を学ぶための副教材はどのようにして作られたのか
-中等教育を対象とした「薬害教育」に関する討議の検討 - (中塚 朋子)
第14章 医師養成教育での社会学の位置づけ -「薬害教育」からの展開可能性- (本郷 正武)
第15章 薬学部・薬系大学院での教育に「薬害教育」を体系的に位置づけるための視点
-多声的薬害概念と技術者倫理教育の導入- (佐藤 嗣道)
第16章 遺伝学的呼称と自覚 -症状のない女性たちは「血友病保因者である可能性」をどのように経験するか-
(松原 千恵)
第17章 化血研の「不正」について -社会学的分析のためのノート- (種田 博之)
【資料編】
凡例
BBさん -行政官としてHIV/AIDSにかかわったかた
第1回 だんだん和解協議をした出発点のことがね、風化していくってことを、非常に懸念しているのです。
FHさん・FIさん・FJさん・FKさん -凝固因子製剤の開発・製造にたずさわっていたかた
第1回 (HIV/AIDSに対する認識の高まりが)だからいつからポッとなってきたというよりも、
次第になってきましたよね。
FHさん・FIさん・FJさん -凝固因子製剤の開発・製造にたずさわっていたかた
第2回 (第Ⅰ相試験において)HIVというのを意識していたら
(治験薬を)おそらく健常人(被験者)に打つことはできなかったと思う。
RBさん -保因者ケアや患者教育をめぐって
第2回 やっぱり保因者教育っていうのも非常に必要なのかなっていう気がしまして。
変に恐れる必要はないんじゃないのかなっていう風に思うんです。
RDさん -保因者についての認識の高まりのなかで
第1回 病気をもった子はいなかったっていうのもあって。
子どもが突然変異で病気になったと思い込んでいたんですね。
MKさん -ハンセン病医療におけるサリドマイドについて
第1回 (サリドマイドによる障害児の出生という問題があったので)大丈夫なのかな、という意識は
ちょっとありましたけども、やっぱりあの、一番治療の妨げになっていた、らい反応をこれで
乗り切れるという、非常にメリットの方がやっぱり大きくてですね。ですから、われわれが
用心して使わないで誰が使うんだ、という、逆にね、そういった意識があって。