特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権 理事長 若生 治友
本日のシンポジウムは昨年 3 月 29 日に NPO 活動 20 周年企画としてチラシまで作って開催する予定でしたが、新たな感染症によって延期を余儀なくされてしまいました。約一年、日本はもとより世界中でこれまで当たり前だった日常生活がガラリと変わってしまいました。新たなウィルスはこれまでの価値観を根底から覆し、個人個人の持つ自由と権利を制限する社会すら容認させようとしています。
今回の企画は、私たちの活動 20 年間を振り返り、取り組んできたことは本当に正しかったのか、或いは、私たちの正しさは何に基づいているのか、改めて考えたいと思ったことから始まりました。コロナ禍における正しさとは何か、正しい選択のあり方を考える機会としたいと思います。
盛山和夫(せいやまかずお)さんは、東京大学大学院人文社会系研究科教授、関西学院大学社会学部教授を経て現在東京大学名誉教授です。主な著書に『制度論の構図』『社会階層:豊かさの中の不平等』『権力』『リベラリズムとは何か』『社会保障が経済を強くする』などがあります。もっぱら関東での生活が長かったため、関西学院大学での 4 年間は、いわゆる関西生活に色々と苦労があったり楽しみがあったりと、結構思い出深かったそうです。特に明石大橋を渡って淡路島に向かっていった時の景色は忘れられないとのことです。
大北全俊(おおきたたけとし)さんは 2014 年から東北大学医学系研究科助教、2020 年 5 月から東北大学大学院医学系研究科准教授になられ、現在に至っています。東北大学に来るまでは関西に住んでおり、私たちの『輸入血液製剤による HIV 感染問題調査研究』に関わって、約 15 年になります。関西にいたころは、仏像鑑賞を趣味にされており、東北移住後は、東北各地を巡りながら温泉を楽しんだり、日本酒の利き酒選手権などにも精力的に挑戦されているそうです。