世界と自分を掴みに行こう ~雨宮処凛さんとの対話~
日時:2013年3月3日(日)14:00~16:30
会場:大阪人権博物館(リバティおおさか)リバティホール
主催:リバティしてる?プロジェクト実行委員会
共催:特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権
リバティおおさか(大阪人権博物館)は、大阪市・大阪府の補助金打ち切りによって存続が危ぶまれています。
私たちは、リバティおおさかを応援するとともに、ひとりひとりが人権の大切さを考える契機がもっとあっても良いのではないかと考えました。人権という普遍的な価値が、ともすれば特定の人権問題に取り組む人たちの口からだけ語られ、市民社会にひろく共有される価値になってないのではないかとの認識の下で、今回の企画は進められてきました。このイベントを通じて、みんなが世界の当事者として生きることが出来る市民社会のあるべき姿について考えてみたいと思います。
ゲスト
雨宮 処凛(あまみや かりん)
1975年、北海道生まれ。作家・活動家。愛国パンクバンドボーカルなどを経て、00年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)で作家デビュー。以来、「生きづらさ」についての著作を発表する一方、イラクや北朝鮮への渡航を重ねる。06年から新自由主義のもと、不安定を強いられる人々「プレカリアート」問題に取り組み、取材、執筆、運動中。メディアなどでも積極的に発言。3.11以降は脱原発運動にも取り組む。07年に出版した『生きさせろ!難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)は、JCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。「反貧困ネットワーク」副代表、「週刊金曜日」編集委員、「フリーター全般労働組合」組合員、「こわれ者の祭典」名誉会長、09年末より厚生労働省ナショナルミニマム研究会委員。
司会
花井 十伍(はない じゅうご)
1962年生まれ。私は、血友病患者として生まれついてから今日まで、ずっと医療にかかわって(というかたすけられて)きました。だからという訳ではありませんが、日本の医療というのは、ピンポイントに病名が明確な疾患についてはとても優れていると思います。ところが、人間の体というのは、ほとんどの場合、機械を修理するように病気を治療することは出来ません。というよりも、むしろ病気と健康の区別すら充分にできるとは言えません。高齢者の在宅ケアのような、いろいろ体の調子が悪くなってくるけど、治療して直すことはできない人々に対する対応などは日本がとても苦手とする領域です。人間や社会を腑分け(コンテンツ化)しないと対応できない悪い癖が出てしまうのです。社会や人権についても同じようなことが言えます。一日12時間以上働いてもどんどん生活が苦しくなってゆくとしても、何かの題目がなければ、人権が脅かされているとは考えません。病気の場合は苦し紛れに「生活習慣病」などという病名をつけたりしていますが、人権についても「生活習慣人権侵害」とでも命名したら良いでしょうか、などと考えつつ、僭越ながら司会をつとめさせていただきます。
パネリスト
中崎 なるみ(なかざき なるみ)
1989年生まれ。わたしは、ただの女好きです。女の子と女の子の恋愛を元気付けるフリーマガジンを作っています。将来は日本で同性婚をしたいと思っています。しかし、今日の日本では、性的少数派を守る法律がありません。異性愛者も同性愛者も平等な人権を持っています。なぜ、同性愛者だからと言って結婚などができないのでしょう?社会にはいろとりどりな愛があり、性別があります。わたしの願いは、みんなが3M(無知・無関心・無責任)をやめて、生きやすい社会を一緒に作ることです。
木脇 嶺(きわき れい)
1990年生まれ。17歳のとき高校を中退。そのころの経験や社会に対する思いが、今でもエネルギーになっている。高校卒業程度認定試験を経て、現在は大阪教育大学の夜間学生。昼間はNPO法人暮らしづくりネットワーク北芝にて、高認プロジェクトや不登校支援事業など、こども・教育に関わる事業を中心に働く。基本的に学校がキモチワルイ。
崔(吉原)大志(ちぇ・てじ/よしはら だいし)
1984年生まれ。私は在日朝鮮人3世です。ちょうど10年前に国籍を変更して韓国籍から日本籍になりました。生まれたときから日本名で過ごし、日本語だけ使いながら生活を続けてきました。「あなたは日本人ですか?朝鮮人ですか?」と問われると、どちらもそのような気もするし違うような気もします。曖昧な自分の立場に、曖昧なまましっかりと向き合うことについて、この機会に少しだけ考えてみたいと思います。
本イベントのチラシは こちら