巻頭言 | ネットワーク医療と人権 (MARS)

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巻頭言


遅ればせながら、昨年12月1日のイベント「誰とどんな風に暮らしたい?-広がる家族観」の開催報告を発行することができた。遅れた理由はひとえに私の巻頭言が遅れたからに他ならず、イベント開催報告を待っていただろうパネリストの皆さんや、MERS会員の皆様には、誠に申し訳なく反省しきりである。今回のイベントでは、司会+パネリスト3名の方に発言をいただいた。自身の経験や思い、しかも非常に個人的なことまでもを多くの方々の前で発言いただいたことに感謝・感謝である。

「誰とどんな風に暮らしたい?」は、2013年3月に開催した大阪人権博物館リバティおおさかを応援するイベントの第2弾として開催した。第1弾を共催した「りばてぃしてる?実行委員会」メンバーに協力を仰ぎつつ、準備会を立ち上げて企画を立てていった。「人権」というカタい言葉は使わずに、身近な人たちの言葉で、世の中の「矛盾」によって、多様な生き方が困難であることを考えるイベントを目指した。準備会メンバーの貴重な経験や考えを聞くうちに、主役は彼らしかいないと思うようになった。

イベントの広報は、多くの若い人たちに参加して欲しかったため、これまで懇意にしてきた大学関係者・研究者の方々に手伝っていただいた。おかげで学生や女性が参加者の大半を占め、満席・立ち見が発生するほどの盛況なイベントとなった。司会を務めた川崎氏は、「今の法制度や当たり前と思う意識が、個人の生き方を縛っている。」とし、「誰かが誰かの幸せを勝手に決めている。そんな“圧力”が今の世の中にはある。」とまとめた。多くの参加者の価値観・固定観念に、なにがしかの影響を与えることができたイベントとなったと思う。

繰り返しとなるが、お話いただいた4名の女性の方々には敬意を表したい。力強く自身の考えを述べられ、クールな生き方を魅せていただいた。これからも生きづらさを助長している「当たり前」や法制度の不備を多くの方々に知っていただき、問題提起する機会を企画していきたいと思う。

 

2014年3月
特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権
理事長 若生 治友