MARSイベント
「薬害とはなにか-新しい薬害の社会学」
出版記念シンポジウム
※終了しました。
<開催概要>
日時:2023年2月23日(木・祝)14:00-16:30(13:30開場)
方法:対面開催、ウェビナー(事前申込不要) https://d.quel.jp/7795852
会場:グランフロント大阪北館タワーB10階
ナレッジキャピタルカンファレンスルームタワーB RoomB05+06
https://www.kc-space.jp/conference/items/towerB.pdf
主催:特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権
共催:科学研究費補助金「薬害の社会的過程の分析-Biological Citizenshipの観点から」研究会
<プログラム>
〇書籍紹介
佐藤哲彦氏(編者、関西学院大学)
〇第1部 基調講演「36年前の薬害の社会学と現在を比較して」
伊藤公雄氏(京都産業大学現代社会学部)
〇休憩
〇第2部 シンポジウム
司会:本郷正武氏(桃山学院大学)
1)養老委員会から現在までの歴史
蘭由岐子氏(追手門学院大学)
2)当事者参加型リサーチから現在まで
伊藤美樹子氏(滋賀医科大学)
3)当事者・被害者カテゴリーを越えて
増山ゆかり氏(サリドマイド被害者)
討論
コメンテータ:伊藤公雄氏、佐藤哲彦氏
<開催の趣旨>
本書『薬害とはなにか-新しい薬害の社会学』は、社会学を専攻する文系学部の初学者をはじめ、医薬系学部、健康問題に関心を持つ読者層に薬害の社会学の魅力を伝えるテキストである。これまで薬害問題は、社会学領域で取り上げられることが少なく、2001年に発足した「輸入血液製剤によるHIV 感染問題調査研究委員会」による薬害エイズをめぐる医師や遺族、被害者らの聞き取り調査に端を発した、各種薬害問題の調査研究の蓄積をもって、ようやく社会学領域で薬害が分析対象となったと言える。
とりわけ、海外には存在しない日本固有の「薬害」概念は、さまざまな健康被害を同種の問題として把握可能にするとともに、個々の被害者たちが「薬害被害者」として薬害問題根絶のために連帯するという、公害問題から続く被害者運動の歴史を構成する一助となっている点を社会学的に議論している。
さらには、近年の新型コロナウイルス感染症をめぐっての新薬承認やワクチン接種の問題は、すでに過去の薬害問題が胚胎する問題であると言えることから、今後の考察が待たれるテーマでもある。
このような多岐にわたる論点を、本書では社会学研究者だけではなく、医学・薬学・看護研究者や当事者を含めた学際的な研究チームにより執筆されている。本シンポジウムでは、多様な読者層に「新しい薬害の社会学」をアピールすることを目的に開催するものである。