巻頭言 | ネットワーク医療と人権 (MARS)

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巻頭言


季節柄ではないのですが、最近アートに触れる機会を意識的に作っています。もっと以前から、そういう機会を作れば良かったと悔やんでいますが、不思議なくらい積極的にアクションを起こしている自分に驚いていたりもします。

ある知り合いは、アートに触れることを「感動できる自分を再確認できる機会」として「かけがえのない大切なもの」と言います。私自身といえば、日常から離れられる瞬間というか、非日常に身を置くことで「心が洗われる機会」と捉えていたりもします。

例えば、古代遺跡から出土したアクセサリから前衛的な現代アートに至るまで、時代背景や「作品」への思いを馳せることで、手がけた人々の生き様や考え方に、いくらかでも共感できる気がするのです。そういったImaginationとかInspirationといった感覚が自分に残っていて共感できたと思えるだけで、知人同様、アートに触れる意義は大きいと思っています。

このように自分の偏見や先入観を一旦箱にしまって、心を空っぽにした状態で考えを巡らすこと。それは自分にとっての瞑想だと思います。アートに触れる時だけではなく、普段から瞑想する余裕があれば、世の中で起きているいろいろな出来事や問題が「如何に」起きているのかが、少しは、そして何となく見え隠れしてくる気がします。

心の目を塞がれずに、物事に対して広く深く気づける自分をめざし、自分がどこへ向かうのか、具体的な行動へと結びつけていきたいと思います。

 

2007年12月
特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権
理事長 若生 治友