巻頭言 | ネットワーク医療と人権 (MARS)

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巻頭言


私たちMERSは、任意団体として2000年9月に設立され、その1年後の11月9日に大阪府からNPO認証を受けました。今年はNPO認証10周年を迎えることになります。個人的には、不器用に行きつ戻りつしながら、いつの間にか10年の歳月が流れたという印象です。

その間、私たちは、社会啓発的な事業として講演会やシンポジウム・フォーラムを主催してきました(下記参照)。薬害エイズ事件をきっかけに見えてくる問題や、その時々のホットな事象を取り上げ、講演やシンポジウムを通して社会や市民に考える機会を提供してきたつもりです。そしてまた当事者の視点という軸足を大切にしてきました。

2011年度は、大阪HIV訴訟原告団が行なってきた「薬害エイズ遺族等相談事業」をMERSが事業主体として受託することとなりました。これまでは調査研究・社会啓発的な事業を主に行なってきましたが、血友病患者・家族・遺族に対するケア的な事業にシフトしていくことになります。私たちの活動理念に、ご理解・ご協力いただいている方々には、今後とも変わらない温かいご支援を賜りたいと思います。どうかよろしくお願い致します。

 

2011年9月
特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権
理事長 若生 治友

MERS 設立時からの主な開催イベント
  • 2000年9月:設立記念イベント
      島本慈子氏 記念講演「砂時計の中で」
      薬害エイズ討論会「激論!患者VS医師VS弁護士」
  • 2001年3月:医療シンポジウム「医療現場は薬害を防げるか!?」
  • 2001年12月:医療シンポジウム「弁護士が再現するあの裁判」
  • 2002年3月:NPO法人設立イベント 養老孟司氏 記念講演&シンポジウム
      「薬害被害者が医療を問う -薬害被害者が語る現代医療の問題点とは-」
  • 2002年6月:ハンセン病シンポジウム -元ハンセン病患者の人権は回復されたか-
  • 2003年3月:第2の国民病「C型肝炎」の実態を暴く!
      飯野四郎氏 講演「肝炎の歴史と現在の治療」
      肝炎シンポジウム
  • 2003年10月:「ご存じですか?サリドマイドのこと」
      増山ゆかり氏 講演「サリドマイド被害を受けた私と家族の人生」
      対談「サリドマイド復活が問う現代医療のゆくえ」
  • 2004年6月:石川寛俊氏 講演会「医療裁判を通してみえるもの」
  • 2005年10月:薬害イレッサと薬害肝炎を考える
      花井十伍氏 講演「医薬品の安全性について」
      パネルディスカッション「被害者の訴えと訴訟の現状」
      パネルディスカッション「薬害が起きない医療を考える」
  • 2006年6月:シンポジウム「HIV・AIDSとともに生きる」
      -「薬害エイズ事件」の教訓-
  • 2006年10月:「生命を育む思想 -薬害エイズと医療-」
      小林傳司氏 基調講演「未知なる事態における科学者の役割と責任」
      養老孟司氏 基調講演「治療行為の不確実性と所与の存在としての患者」
      フォーラムズ「薬害エイズと医療」
       Forum1 生まれること、生むこと -優生思想と当事者-
       Forum2 水俣病と現在
       Forum3 医療における医学と倫理
       Forum4 医師と患者の語りから -EBMとNBM-
       Final Forum 全体総括
  • 2007年11月:患者とは何者か?-患者-医療者間の「せつなさ」と「幸福な関係」-
      西川勝氏 基調講演「医療に哲学は必要か?」
      ヨシノユギ氏 基調講演「医療に対する当事者の違和感」
      田口ランディ氏 基調講演「医療、福祉、そして癒し」
      パネルディスカッション「患者とは何者か?」
  • 2008年9月:シンポジウム「薬害肝炎訴訟の意味するもの」
      福田衣里子氏 基調講演「薬害肝炎訴訟の意味するもの」
      パネルディスカッション「薬害裁判 -何が人を突き動かすのか-」
  • 2010年3月:村上陽一郎氏 特別記念講演会「医師・患者の関係を巡って」
      -「医師と患者のライフストーリー」調査を振り返って-